金浦「ひったか・おしぐらんご」4年ぶりに開催(6/18更新)

コロナでこのところ中止になっていた金浦「ひったか・おしぎらんご」が2023年は4年ぶりに開催。

6月17日(土)19:00~22:00 「ひったか」・6月18日(日)9:30~12:30 「おしぐらんご」

「ひったか」図案予想クイズ当選者発表!

目次

金浦ひったか・おしぐらんご保存会 会長 黒田基晴さん

4年ぶりの「ひったか・おしぐらんご」の準備に頑張っていらっしゃる会長の黒田さんにお話をお聞きしました。ひったか・おしぐらんご保存会と言えば、酒井宏侑さん(元市議)が中心でやれれていましたが、10年ぐらい前から黒田さんに引き継がれて現在に至ります。黒田さんは元消防署職員で保存会会員でもなかったのですが、町内の放送関係、当日の行事の放送関係をやっていたこともあり白羽の矢がさっさったようです。

ひったか 6月17日(土)19:00~22:00

「ひったか」は昭和49年(1974)に無形民俗文化財として笠岡市の指定を受け、さらに昭和51年(1976)に記録j保存すべき無形の民俗文化財として文化庁の指定を受けています。「ひったか」の起源は伝承によれば、一の谷の合戦で平家が敗走した後の、寿永3年(1184)平家の武将が金浦の地陶山城において、兵を集め平家の立て直しを図りました。この期に源氏方に通じていた讃岐の国の在庁等が軍船30余隻、水軍2千あまりの大軍をもって海から陶山城を攻めたて激しい海戦が展開されました。
 そこで平通盛らは味方の劣勢を補うために付近の山一帯に「かがり火」を焚き大軍と見せかけ敵をあざむいて退散させたといわれています。
 その後、白のぼりを立て源氏に見立てた東「行者山軍」と、赤のぼりを立て平家を見たてた西「妙見山軍」の源平二軍に別れ互いに対陣し、松明を焚き気勢をあげ競うようになりました。後に松明の換わりとして提灯が使われるようになったとされています。
 「ひったか」の語源は松明を山上で高く焚くという意味の「火を高く焚く」が「ひったか」となまったものだといわれています。
 絵柄については、その年の話題あるいはビッグ二ュ-スを題材としており、「ひったか」当日、提灯に火がともされるまで極秘となっています。
提灯の個数は絵模様により多少前後しますが約300~350個でローソクを使用しています。以前は夕暮れに東西同時に点灯し、早く消えた方が敗者ということで夜中まで火が灯っていましたが、現在は交通規制(歩行者天国)の解除前(22時)に火を落としています。

 黒田会長によると、大体夕方7時30分ごろに暗くなって東西一斉に火が灯りますが、それぞれ暗闇の中で徐々に火が灯って絵模様が浮かび上がってくるその様が一番の見どころとおっしゃっていました。
 もう一つ、ひったかの絵柄は東西一人づつの絵師がその年の絵柄を考え、決して外に漏らしてはいけません。ゆえに、絵柄が東西似ている例が過去有りました。黒田会長になって、だぶりが無いように会長には極秘に報告があり、決してだぶらないようにしているそうです。さて、今年の絵柄は何が飛び出すでしょう。

 なお、歩行者天国は19時から行われ、屋台等も沢山並び祭りを盛り上げます。また、久我邸の吉田川沿いの側面には「子どもひったか」が展示されます。子供ひったかは平成24年から開始33回目、この場所に展示は29回目となっています。

子ども「ひったか」の様子が山陽新聞で紹介されました。 2013年6月16日(金)山陽新聞朝刊

6月17日(当日準備)レポ-ト

東 行者山レポート(16時現在の準備状況)

行者山からのながめ、かなり急な斜面で大変な作業です。サンダルの私は何回滑ったか?(笑)

西 妙見山レポート 朝8時30分からご祈祷のあと竹組の作業、11時30分まで。昼食休憩午後2時から再始動!

点灯は19時30分からこうご期待!

出店の様子

既に出店が沢山出て賑わっています。子供たちがいっぱいです!ぜひお越しください!

17日(土)19:00から歩行者天国!自転車もはいれません!
2号線からは金浦の信号の西に駐車場があります。ナビ 笠岡市金浦50-3
北部の方は「笠岡学園」駐車場をご利用ください。ナビ 笠岡市吉浜2445-4

2023年の金浦「ひったか」

西組「妙見山」

東組「行者山」

6月18日付山陽新聞朝刊

おしぐらんご 6月18日(日)9:30~12:30

「おしぐらんご」は平成17年(2005)に無形民俗文化財として笠岡市の指定を受けました。「おしぐらんご」は陰暦の5月5日、すなわち菖蒲の節句当日に開催されていた金浦ゆかりの伝統的行事です。現在では、それに近い土曜日に「ひったか」、日曜日に「おしぐらんご」を行っています。
 「おしぐらんご」の起源は後鳥羽天皇の御代(1180~1239)、今から800数十年前の元暦元年(1184)、屋島を本陣としていた平家の武将が備中方面の兵力を集めるため陶山城に滞在していました。その時平家方の兵の手薄さをこれ幸いと、源氏に心を寄せ時節を待っていた讃岐の国の在庁等が軍船30余隻に2千余の軍を率いて陶山城に攻めたが、平家方は陶山城主が先陣となり軍船10数隻に迎え撃ち、敵を追い散らし、滞在中の平清盛らを驚嘆せしめました。
 この勇壮な源平の船いくさが当時の漁師の勇猛心を刺激し「ひったか」同様に東西二派に別れて対立し、出港又入港に先陣を競う風習となり今日に伝えられ、金浦の伝統行事として源平紅白二軍に別れて船漕ぎ競争が行われるようになりました。
 この伝統行事「おしぐらんご」も笠岡湾干拓事業による漁業の廃業により、一時中断の時期を迎えました。そうした世相の中で伝統の灯を守らねばとの地域住民の強い願いと熱意により昭和62年(1988)「おしぐらんご保存会」が結成され、26年ぶりに伝統の灯がともされました。

おしぐらんご6艇が出場!

おしぐらんごの漕ぎ手は小学校4年生以上の小中学生を対象に募集されます。4年ぶりということで、中学2年生から小学校4年生は初めての挑戦になるようです。また、中学校の総体とも重なり小学4年生2人・5年生11人・中学生3人・高校生8人・大学生一般11人の総勢35人が保存会の指導を受けて、4月から毎週土日は潮に合わせての練習が予定されており、技を磨きます。

山陽新聞で紹介されました。

6月17日(土)会場の様子

「おしぐらんご」アクセス・駐車場等

6月18日 「おしぐらんご」の当日スケジュール


 9:30 開会・来賓あいさつ等・神事
10:00 おしぐらんごスタ-ト
      7レ-ス開催予定
12:30 レース終了後岸壁にて7艘の船から「大盤振る舞い」菓子投げで終了

2023年6月18日 「おしぐらんご」の記録です。

6月19日付 山陽新聞朝刊に掲載「勇壮 源平こぎ比べ」

一緒に見てみたい! 映画「とんび」に出てくる街並み

金浦の街並みは映画「とんび」の中で主人公「ヤス」と息子の「アキラ」が暮らした家やアキラが通った金浦幼稚園、吉田川沿いのレトロ感溢れる街並みで撮影が行われました。

ヤスがいつも拝んだほこら(金毘羅大権現)

息子アキラの大学受験合格を知り、感謝の想いで財布の中身を全てお賽銭箱に入れたほこら。

ヤスが全力で走った道

大学進学のため、上京する息子アキラが乗った車をヤスが追いかけ、エールを送るシーンが撮影されました。

おしぐらんご保存会の練習の様子を覗いてみる

5月18日、おしぐらんご保存会の練習を覗いてみました。
丁度、金浦小学校3年生が「おしぐらんご」の学習に来られていました。
3年生で課外学習で勉強して、4年生から漕ぎ手として養成する流れのようです。

笠岡市役所の応援メンバ-が練習をしていました。今回で4回目。

今日は4人そろったので漕ぎ手の配置を会長が決めていました。

本日参加の保存会の面々です。若そうに見えますが、平均年齢は80歳を超えています。半数の方が元漁師の方です。まだまだ若いもんには負けないという勢いでした。

終わりに

黒田会長のご自宅でお話を伺ったわけですが、帰り際に小学校5年生のお孫さんが学校から帰って来られた。元気な声であいさつをしてくれたので、「おしぐらんご出るん?」と聞くと「はい!」と大きな返事が返ってきた。小学校5年生と言うことは今年がデビュ-!親から子、孫へと伝統が受け継がれていることに心打たれる感じでした。黒田会長も82歳とか、保存会運営の後継者の育成を進められている。文書は娘さんやお孫さんの大学生がパソコンを打ってくれるそうだ。家族を挙げての保存伝承に頭が下がる思いです。2月19日に開催の決定を行い、足掛け5か月の準備、こんな地道な活動が地域の伝統を支えている。

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