北木島豊浦にあるこの彫刻を見たことがありますか?
牛尾啓三氏作の「メビウスの環」
平成元年8月に行われた第1回の「かさおか石彫シンポジウム」公開制作作品。
数日前に、古民家を購入しギャラリーにしているというメ-ルをいただき、昨日9月4日に訪ねてみました。
行ってみると、一般公開ではなくプライべ-トな展示スぺ-スとしての活用のようで、無論入口は閉まっていました。
直接電話を入れさせていただき、ここから20分ほどのアトリエにいらっしゃり、見学させていただけることに。
こちらがあのメビウスの環の作家の牛尾啓三氏です。(右側は無視してください。笑)
https://www2.memenet.or.jp/~keizo/keizo%20house.htm
2時間コ-スでご説明を頂きましたが、まだまだ説明し足りない感じでした。
常時オープンしていない展示場ですが、開設の目的は私たちの考えるものとは全然違い、海外の富裕層のお客様を対象にこの展示場に招待し、作品を購入していただく目的で活用されているようです。
その工夫もいろいろとお聞きしました。
ここへ来られて、一人で最高3点買われて帰って方がいらっしゃったようです。
もともと、家業が鉄工所で、鉄のア-トから入られて、その後、播磨の石に注目し、石材加工に転向されたようです。
笠岡でシンポジウムのあったころは、大学の先生もされていましたが、土日を作品制作に費やし、他の日は学習塾で先生をされていらしたようです。
牛尾さんは、学習塾で英語も教えていたので、日本でシンポジウムや野外展覧会が途絶えたころに、その英語を活かして海外へ展開されたようです。コンク-ルでの賞金を海外行脚の資金として3か月渡欧をされて情報収集をされたそうです。
そして、海外にシフト変換しコンスタントに実績を残してこられました。
現在はほとんどが海外での仕事による収入のようです。
笠岡市は、平成元年にあの竹下首相の1億円のふるさと創生資金を「石彫シンポジウム」事業に使っています。ちなみに6000万ぐらいです。
笠岡のメビウスはシリ-ズ2年目の作品だとおっしゃっていました。初期の作風は全然違うものでした。この古民家には学生時代からメビウスの前の石彫作品もあります。
現在72歳ですべての行程を一人ではできない、音楽でいうオーケストラの様なものでお弟子さんとの役割分担で現在も作品を作り続けていらっしゃいます。
メビウスの発想のきっかけはと尋ねると。。娘さんの夏休みの工作のワ-クショップで紙で作ったのがきっかけでここまで展開されたようです。
数学をテーマに作品作りをすることによって、自然や歴史背景も超えて、末永く理解してもらえる作品作りを目指して、メビウスにこだわって作品を作り続けていらっしゃいます。
朝来で行われた牛尾啓三展 彫刻歴50年の奇跡のパネルの中に笠岡の作品2点あります。
兵庫県・日本中・世界中に作品が設置されています。
こんな偉大な石彫作家の作品が笠岡にあるということを知って欲しと思いました。