4月に観光課に異動になり、自ら街のサンダル添乗員として地域に寄り添うツア-を提案し、実践していこうと考えての第1弾のツア-です。あくまで個人的に企画して個人的に募集して実費のみで10名を目安に毎月何らかの形で行う予定です。その第1弾は北木島の流しびな行事に合わせてのツア-企画としました。
令和5年4月22日(土)
行程
9:15 笠岡市伏越港集合
9:25 伏越港出発(金風呂丸)船賃:550円
・・10:05白石島(弁当:調達)・・10:25北木島豊浦
豊浦よりワゴンにて北木島大浦へ(離島センタ-へ)
・流しびな作り体験(体験料:300円)
12:00 大浦海岸へ移動
12:15 雛流し行事・天野屋旅館雛飾り見学・・館内見学も(3階建て)
12:45 移動(金風呂へ)
13:00 島カフェ(昼食弁当)馬越さんのお話
北木島光劇場(石のビデオ視聴) 拝観料:500円
14:00 日本遺産見学(残念石・北木のベニス・湖上のステ-ジ・桂林)
14:40 こっぺ地蔵・NPO法人かさおか島づくり海社事務所「北木の燃える男」鳴本理事長の話
15:15 北木島豊浦港発(大福丸)船賃:520円
16:00 伏越港着
参加人員 大人9名・小人1名(3歳)
これからのツア-でこんなことを伝えたい!
いつも思うことは、笠岡諸島での観光は単なる物見遊山ではなく、地域で頑張って盛り上げようとしている人にスポットが当たるような仕掛けが必要だと。そして、ただ消費する観光ではなく、楽しみ、考え、学び、その地域のファンになり、応援したくなるような見せ方が必要だということ。(産業観光の赤澤さんも言っていた。)観光から関係人口となり、究極は移住へとつながることが成果となるようなアプロ-チが必要であると思う。そんなことを意識しながら島を楽しむツア-を催行できたら「最高」。たまには「再考」となることもるけど、失敗を恐れず新しいチャレンジを日々心掛けています。
といいながら小難しことをあまり書いても何もならないので・・・。ツア-を組まなくても普通に島を楽しめるのが理想であるが、島が沢山あって個々の島々の個性もあるけど、船便とかいろいろなことを考えると今の段階では個人で島旅を企画・実行することは至難の業だと担当者だからこそ思ってしまう。
まず北木の流しびなは「河田由美子さん」昨年吉田文化会館で雛祭りを行った際に「流しびなづくり」のWSを実施した際に相談に乗ってもらい、材料等についても用意してもらった。やはり本当に好きでやっている人とのやり取りで、その人が喜んでくれるようなツア-をやって、参加してくれるお客さんも楽しいツア-を目指したい。文化会館で雛祭りをやった時も見に来てくれて、自作の雛人形を展示していただきました。展示してある手づくりの雛人形の半分ぐらいは由美子さん作。
北木島の流しびな行事のいわれ
北木島の流しびなは今から300年も前から受け継がれている行事です。昔、住吉大社に嫁いだお姫様が下の病を患って、和歌山県加太の淡島神社に流されたという伝説があり、そのお姫様は淡島様のおかげで元気になり、淡島神社は女性の病気にお陰がある神社として信徒「淡島願人」によって淡島信仰を全国に布教していました。その淡島願人が北木島への来て布教し、そのおかげをいただいた人も多かったのでしょう。北木島のご婦人は、その教えに従って3月3日の桃の節句には12体の姫雛(閏う年は13体)と1体の船頭を船に乗せて海に流していました。この12体の姫雛は毎月1体づつ作って災厄を託して、毎年、旧暦の3月3日に近い土日に流しびな行事を行って、和歌山の加太神社の方向へ流しています。また、昔は生活が苦しかった人も多かったので、菓子箱を船代わりにして流していたようです。その後、麦わらで作ったうつろ船が作られるようになって今に伝わっているようです。うつろ船には桃の花や弁当として「あさり寿司」が添えられて、「淡島様へいんどくれ!」と正午過ぎの引き潮に乗せて流されるようです。
昔は、島の方々は個人で流していたようですが、平成11年に笠岡市の観光課とのタイアップで島外からのツア-を受け入れるようになり、徐々に島外にも広く「北木島の流しびな」が知られるようになったようです。
昭和55年3月27日 笠岡市指定 重要無形民俗文化財に指定されています。 保存団体:北木島流し雛保存会
流しびなづくり体験
今年は、コロナ明けの影響もあり流し雛ツア-も実施されていませんでしたが、会場となっている笠岡諸島総合開発センタ-1階では、雛人形の展示、お守りや人形の販売を行っていました。そして、中央のテ-ブルでは「流し雛づくり体験」をされていました。観光客用にあらかじめ準備された流しびな作成キットを300円で購入し、2人に一人ぐらいのサポ-トスタッフがついて約1時間ぐらいで完成します。今回参加の皆さんも集中して雛づくりをされていました。
小学校でも流しびなづくりを授業の中で
毎年、北木小学校も授業の中で流し雛づくりを行っており、流し雛行事に参加しています。この日も4名の北木小学校の児童も参加されていました。それと、市内の小学校の4年生・5年生の時に北木島の海の学習が北木島の旧北木小学校校舎(研修所)で行われますが、そのWSでも雛づくりを行う学校もあるよです。この日は、研修で雛づくりを行った北川小学校の児童と保護者の方が参加されていました。
正午になったらうつろ船を持って大浦海岸へ
北木小学校の児童と流し雛保存会のメンバ-が先頭に立って、自作の流し雛を持って、大浦海岸を目指します。
12時 大浦海岸で一斉に雛流しスタ-ト
報道陣も防水カッパを着て海の中からの撮影でしたが、東風が吹いていたので、波打ち際で多くのうつろ船が難破していましたが、皆さんの気持ちは遠く和歌山の加太の淡島神社へ届いたと思います。
創業100年を超える天野屋旅館を見学
流し雛保存会の会長である天野屋旅館の玄関先に雛人形を展示しているということで、ご案内いただき、お雛様と併せて歴史のある3階建ての天野屋旅館も見学させていただきました。3階の大広間の窓からは大浦海岸が一望することが出来ました。
12:45 大浦から金風呂光劇場へ
流し終えたあと一行は、ワゴンに乗って北木島金風呂の劇場を目指しました。
昼食は、時間が読めないとの判断から、弁当を調達しようと思っていました。なるべく現地にお金を落とす意味も併せて、しかし、北木島では弁当が調達できなかったので、思案した結果。行きの金風呂丸が白石島経由であるということに目をつけて、白石島の「華大樹」にお願いして白石寄港時に受け取ることに。
こちらが、華大樹のお弁当です。島へ行ったので島の物を食べたいと思ってましたので、魚や山菜を使ったお弁当で、ごはんも別になっていたのでボリュ-ムもあっておいしくいただきました。
昼食時に、光劇場の成り立ち等について馬越さんから説明を頂きました。
こちらが、金風呂にある「光劇場」と入り口にある映写機です。
昭和30年代には北木島に映画館が4箇所ありました。大浦に2か所、金風呂に2か所です。
この映画館も50年ぐらい前に閉まっていましたが、2014年実施した北木ノースデザインプロジェクトの中で参加していた映像作家吉川寿人さんが注目し、島民と大学生インターン生を中心に再生したものです。
吉川さんは第1回のノースデザインプロジェクトの参加アーティスト2人のうちの1人です。2014年の春と秋に続けて2回のイベント実施しています。吉川さんは2か月間で「北木島石の物語」という17分の作品を作り上げ、その作品がこの光劇場で上映されています。
笠岡市北木島の日本遺産に登録されている構成文化財等を巡ります 14:00
島の生活全般をサポ-トするnpo法人笠岡島づくり海社の本社事務所は、豊浦幼稚園の園舎をリニューアルして使っています。鳴本理事長を訪ねて、北木島の現状をお聞きしました。
帰りは豊浦港発15:15の大福丸フェリーで伏越港へ帰りました。
今回のツア-経費の内訳
参加者感想一覧
参考までに参加者の感想を付記しておきます。
特に、流し雛作りが楽しかったです。北木島の人達と話をしながら、作れて。。。また、映画館の馬越さんのお話も良かったです。優しい人柄が滲み出ていました。石切場も感動しました。お弁当も美味しかったし。。。自己紹介の時に、名前が覚えられなかったので、ネームがあったらいいなあと思いました。ありがとうございました
流し雛 思いもかけない結果になり残念でした. (河川敷の雛流しは素直に流れるのに)でも気持ちを込めて流しました。現実に戻ってあれだけの数用意してくださった地元の方 お世話になりました。流したお雛様のあとしまつは?と心配になりました。地区の方々あそこに集まられていた方々皆さんお元気で、やっぱり出会いが大切とおもいました。
「流し雛」を実際に体験してみると、事前に思っていた以上に夢中になってしまいましすね^^) で、イベント当日以外であっても、昨日の流れをベースにして、年間を通じたツアー向けの体験プログラム(有料)としてもいけそうな感じがしました。 流れとしてはこんな感じでしょうか。
【プログラム案】
① 歓迎あいさつ
② 北木島の「流し雛」について、(口頭で)簡単な紹介をしたうえで・・・
③ 流し雛の紙芝居
④ 紙の雛人形づくりと絵付け体験(2体) ・竹串は不要 ・顔用の紙は、流し雛用よりも少し厚みがあるものに変更した方がよいかも ※完成品はおみやげとして持ち帰る。
⑤ 島のおねえさんたちとの交流タイム(島の暮らしについてのお話。Q&Aなど)
※ツアーのお客さんたちはふだんの島の暮らしに関心があるので。
⑦(天候がよければ)雛を流す浜辺へ移動して現地を見学
1セットで約1時間程度のプログラム。 オールシーズン対応できる島のコンテンツになる。 体験を通じて「流し雛」に関心をもってもらい、ツアー客を「流し雛」本番への誘客にもつなげていく。
一つ足りない物を感じたのでこちらに書いておきます。 それは買い物。私が一緒に行く人たちは行った場所で何か買って帰りたいと思っている人が多いです。 Kさんは公民館で手作り雛を買っていました。 赤澤さんのツアーは必ず買い物ができる場所が入っています。しかも地元のそこでしか買えない場所です。道の駅とかでは無く、工場の一部でとか、地域の人がその時だけオープンしてくれるとかです。 ま、これは高齢者の方を対象にしているので守屋さんのツアーとは違うかもしれませんが。 でも迎える方も買って貰えると嬉しいと思うのですが。と言う感想です。
今日はありがとうございました!すごく楽しかったです! 1つリクエストするのであれば、 流し雛について、前情報としてもう少し詳細を知れたら面白かったかなあと思いました! ・いつから始まったのか ・なんでこの日なのか ・人形はなんで12体(今回は13)なのか などなど なんのためにやってる行事なの?という説明があったらよりよかったかなあと! (紙芝居でやってはった気がしますが、ちょうどトイレに行ってて全部見れませんでした) 最初にいただいたパンフレットの中に、そのような説明があってもいいかもしれません。 行きの船の中での豆知識から流し雛、北木の案内、盛りだくさんの内容ですごく充実、満足度100パーセントでした! 定期開催希望です!
(北木島から)
昨日は遠路ご参加いただきありがとうございました。こちらでは高齢化で「雛流し」をされる方も随分減ってしまい、また、時間をずらして流される方もおられました。そんななかで、皆様にはすご~く盛り上げていただきました。本当にありがとうございました。何かと不行き届きは多々ありご迷惑をおかけしたかと思います。それに、自然の成り行きで仕方がないとはいえ、一番残念だったのは、ちゃんと流れなかったことです。ごめんなさい。また、流れなかった「雛」の残骸をご心配頂いた方もおられるかと思いますが、市の職員さんにもご協力いただき、ほぼ回収しましたのでご安心ください。バスが海岸を通りかかったときは、丁度回収を終えたところでした。反省する点も多々あります。それを踏まえて来年に向け、また明日から作品作りを考えていこうと思っています。ありがとうございました。またお会いできると嬉しいです。